皆に愛された1人の愚か者。
今年も残すところ、あと1日となりましたね。
こんにちは、ギリさんです。
2017年も大変お世話になりました。
今年の世相を漢字で表す、「今年の漢字」は「北」となりましたが
僕個人では「人」という文字だと考えてます。
ギリフォトワークスは2011年に創立し、今年でまる7年が経ちました。
1人から始まり、1人2人と仲間が増えて、今では8人の仲間と運営しております。
その半数以上が元々僕のお客様が仲間になっております。
変な話ですが、募集をかけて来たスタッフは1人もおりません。
本当にありがたいし、心強いです。
カメラマンはもちろん、受付や美容スタッフも、中には
就職後に技術スキルを身につけて着付けや経理を頑張っている者もおります。
そんな中でも「ゼロ」から飛び込んでエースと呼ばれるまで上り詰めた者もいました。
決して簡単な仕事ではありません。それでも、彼の働きは全国のカメラマンに
勇気を与えたのではないか?と親ばかですが僕はそう思ってます。
自分のエンゲージメントフォトの撮影の直後に弟子入りを志願。
当時は1人で撮影して回っていたので、保証できる仕事量も無く
無賃でアシスタントに着きながら勉強して少しずつノウハウを身につけ、
自力で撮影機会を作っては実戦勉強を繰り返し、僕のスケジュールが合わなかった
お客様と打ち合わせをし、チャンスを頂き、本番の撮影機会を得る。
明確な資格というものが存在しない「フォトグラファー」という仕事は結果が全て。
写真のクオリティーはもちろん、楽しかったという思い出を共有できたか?
人間的に好かれたか?等、求められるものは決して甘いものではありません。
それでも僕は彼を信じ、少しずつ仕事を任せていきました。
良いのか悪いのか、撮影中にいきなりカメラを手渡して「撮ってみろ」
そんな無茶苦茶な教育ばかり。最初は戸惑っていましたが、やがては
「きたか!よし、やってやる!」そんな眼をするようになりました。
こうしてどんな状況下でも最前を尽くすギリフォトワークスならではの
ゴキブリのような生命力を彼はつけていったのだと思います。
気がつけば自分にとって、会社にとって大きな右腕にまでなっていました。
「弟子」と呼べる人間は彼が初めてだったと思います。
いつの頃か、ギリフォトワークス片桐裕二という殻を破り、彼自身の世界を見せられるようになり
その時はやってきてしまいました。
僕もカメラマンアシスタントをはじめた小貫写真館時代、数々の武勇伝を作ってきましたが
それを超える?偉業の数々・・・
1日の結婚式で3度もグラスを倒したり、神社での結婚式の最中に突然カメラが故障し
行動不能に陥りながらも、奇跡的にカメラ好きの新婦のカメラを借りて一日を乗り切ったり
85mmレンズを落とし故障したので新しいレンズを買い与えたら次の週にまた落としたり
フォトコンで作品を逆さに展示されたと思ったらグランプリを受賞したり・・・
数えれば星の数ほど武勇伝が。多分一日かかっても語りきれません。
自分の人生を変えてくれた人には何人か出会ってきましたが、人の人生を変えたと思った
のは彼が初めてです。
・・・今までそう思ってきたのですが、やっぱり人生を変えられたのは僕自身の方
だったのかもしれません。
技術やスキルをもつ仕事って、いつかは自分自身の脚で歩いてみたくなるものです。
あの頃は生まれたての子鹿のような足取りでしたが、今ではしっかり地に足をつけて
歩ける、そこまでの男になりました。
彼を見ていると、自分のことを思い出します。
独立する1年前に、僕も小貫社長に独立希望の旨を伝えさせて頂きました。
そして、丁度1年くらい前に彼からも同じようにその旨を告げられました。
8,9年前になりますが、その時の小貫社長の複雑そうな眼を今でも鮮明に覚えています。
きっと1年前の僕も同じような眼をしていたことでしょう。
会社の財産って一言で言うのは難しいけれど、きっと「人」だと思います。
育った頃に旅立つ。それもまた財産。人。
僕はまだまだ、小貫写真館に恩返しはしきれていませんが、彼もまたそういう気持ちで
いてくれたら嬉しいことです。
ただ、これからが本当の勝負。
属する会社での人気は本物とは言えないことを僕自身は痛感してきました。
小貫写真館時代、僕はなかなかお客様の支持を得ていましたが、独立後にそれらは
まったく関係なく、本当に苦労しました。外に出ると誰も僕のことなんて知らないのです。
だからこそ頑張って欲しい。
会社で得た人脈や繋がりを使って独立する技術者(美容師さんとか多いかもしれませんね)は
多く感じます。特に近年はSNSの普及で繋がりは昔より作りやすくなっていると思います。
しかし、それは本来自分自身の力と呼べないと思ってます。
「スキル以外は全て置いて行く」
とても厳しいかもしれませんが、これから長くやって行くためには
最後の最後にまた谷に突き落とす。そのライオン以上の厳しさこそが愛情だと
僕は考えております。
悩んで欲しい。あがいて欲しい。
そういった経験こそが、最終的に自分自身の背中を押してくれるのだと僕は信じております。
それでもきっと、「天性の愛されキャラ」
見えない何かを持っている彼は諦めずに歩き続ける、そうであって欲しいと願ってます。
その男、みやっち。本当に5年間お疲れ様でした。そしてありがとう。
ギリフォトワークス、そして俺にとっての初めての卒業生。
恥ずかしくてなかなか面と向かって言えないが
今までもこれからも、俺はお前が大好きだ。
YOU GET BURNING
君らしく誇らしく向かってよ
夢中になった日々が夢の破片さ
その破片を集めて明日を目指す勇気見えるよ
ほんと、バカばっかだね。